闇の子供たち


闇の子供たち


梁石日先生の「闇の子供たち」を読み終えた。タイの山岳貧村から仕入れた幼児を売買するマフィアと、スラム街でボランティアをする社会福祉センターのスタッフとの闘いを描いた作品。

貧困は人の心まで貧しくするというが、スラムの人は失うモノも未来も何も無く、数百バーツで殺しを請け負う。自分が生きる為に子供も売る。売られた子供はペドファイルの玩具と化す。エイズにかかれば生きたままゴミ捨て場に捨てられる。エイズにかかってない子供は臓器提供者として売られるという、底なしの闇のシステム。

一応フィクションとして描かれているのだが、タイというよその國のお話で終わらせる様な一過性なものではない。グローバル化の中で貧富の差が二極化する時、犠牲(いけにえ)となるのは非力の子供たちなのだ。こんな救いようのない弱肉強食の世界に生きてるのですよ、我々は。

Posted: 木 - 2月 19, 2004 at 02:31 午前          


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